「犯行は夜中。ロープウェイの管理人の、夜中に動いている音がしたという証言とも一致します」

「つまり、死体は真夜中の島の上空を通って谷に落ちたという訳ね」

ん? 上空を通って?

炯斗の脳裏に何かが通る。
横をみると、それは言乃と恵も同じようで、はっとした顔で見つめ返してくる。

「はい。まあ、ゴムにつるされた人間が真昼間に空を通ったらそれは目立ちますからね」

つるされた人間が空を通る……

人間が空を通る…

人が…


「「ああ!!」」

三人は、同時に声を上げていた。
高橋たちが、驚いた顔で固まる。

「そうか! そういうことかよ!」

「何のことだい?」

「ね! これで証明できるよ!」

「だから何のことなのよ?」

突然沸き立つ大学生たちは同時にパッと振り返り、勝ちきった笑顔で叫んだ。


「「おじいちゃんの無実!!」」

「「は?」」


社会人たちは、ぽかんとしたまま、視界を横にした。