それから、陽生は停電が直るまでずっと、私を抱き締めていてくれた。 「じゃあ俺、風呂入ってくるから。」 「うん。」 「『行かないで!!』とか言わないんだ~♪」 「うっさい。早く入って!!」 なんで、からかうかな。 だって、あの時は………。 しょうがないじゃん。 陽生がお風呂に入ってる頃、ふっと時計を見る。 もう10時になる。 私、何分陽生に抱き締められてたの!? 思い出しただけで、顔が熱を帯びる。