「俺、昨日から梨央と……。」


「知ってるよ。でも、それが正しい選択か?」


「……。」


「よく考えてみろ……。じゃあ俺は行く。」


「ありがとな。ひとつ聞き忘れたけど、瑠璃のこと好きなのか?」


「……どうだろ。まぁ、陽生が梨央と付き合ってる訳だから……。」


「やめろよな。」


「ははっ、わかってるよ。」


玲央は、出口に向かいながら手を振った。




あいつ、いいやつなのかも。



玲央が屋上から出てったあと、


「日向、お前いんだろ?」


物影から日向が出てきた。


「バレてたー?」


「あぁ。どうせ全部聞いてただろ?」



「バッチリ。梨央ちゃんってそんな子だったのか……。」


「そうだよ。」


「でさ、玲央が言ってた通り、今のお前の選択は間違ってると思う。」


「じゃあ、どうすればいいんだよ!」


「姫のそばにいて、どんなことがあっても絶対に守る。
この選択肢はないのかよ?」


「その選択肢は瑠璃まで巻き込む。だから、俺が犠牲になればいいんだよ。」




そうだ、俺が犠牲になれば………。