桜の花がひらひらと舞う、4月。 立入が禁止されている屋上はとても静かだった。 時折風が吹いて、フェンスのぶつかり合う金属音が小さく鳴り響く。 その場所に、蛇に睨まれた蛙のように動けない状態の私―― 冴月 澪(サエツキ ミオ)と、悪魔のような笑顔でニッコリと笑っている宮野 翔(ミヤノ カケル)がいた。 そう、始まりはここからだった。 .