「ちょっと出かけてくるから!!」
「おぃッ!!千尋!お前どこにッッ・・!!」
冷たくひえたお気に入りのブーツに足を突っ込むと、自転車の鍵をひっつかみ、父親の怒号を聞く前に玄関を飛び出した。
季節は真冬。年明け近づく12月の夕方。空は重たい雲が浮かんでいるが、雨を降らせる気はなさそう。
本当だったら外をフラフラする時間なんてない、受験間近の中学3年。
友人に見つかれば白い目で見られる事だろう。
でもそんな事もどうでもいい。
私は荒い動作で自転車を駐輪場から引き抜くとサドルに跨がり、グッとペダルを踏み込んだ・・・。
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君が好き。
好きすぎるくらい
君が好き。
・・私は君に恋をする。