「あぁ」

土方は頷き答えた。

確かにここ最近仕事が多く忙しかったため
疲れていたのかもしれない
しかし、土方を含め他の隊士達に
そんな素振りを見せたことはなかったはずだ

いや、土方だったら気づいていたのかもしれない
そして、決め手は今朝の…つい先刻の出来事だろう

「……っ」
「………」
「と、とにかく今晩には出陣する。
各隊はそれぞれ用意を済ませておくように」

悪くなってしまった空気をどうにかしようと
近藤は口を開いた

その言葉に皆はそれぞれはい。と答え立ち上がる。

「平助留守番頼んだぞ~」
「うっさいな。左之さんこそ怪我とかして帰ってきたら
思いっきり指差して笑ってやっからな」
「ちびは黙って寝てろっ」
「ひでーよ!!!!新八さん」

そんな会話をしながら
原田、藤堂、永倉が部屋を出て行く。

「総司と悠輝は残れ
すまないが、近藤さんは席をはずしてくれないか?」
「あぁ、わかった」

土方の言葉に近藤は従い部屋を出て行った。
それに続いて斎藤、山南、井上も続いて部屋をでる。

「……」

三人だけになった部屋
悠輝は土方の目を見れずただ無言で俯いていた。
しばらく無言が続く

「なんですか。土方さん
僕らだけ残して」

最初に口を開いたのは沖田だった。

「聞きてぇことがあんだよ
お前は少し黙ってろ。先に悠輝に聞く」
「はいはい」

わざとらしく大きくため息をついて
沖田は土方に言葉を返した。