次の瞬間、由美の瑞々しい唇が、俺の唇に押しつけられた。
 
「――ッ!!」
 
 いきなりの出来事に凍り付く俺。
 
 やがて、ゆっくりと唇が離れる。
 
 そして由美は驚きのあまり声も出せない俺を嘲笑うかのように、携帯の画面を俺に向けた。
 
「もし私を落とせなかったら、この画像を貴方の彼女に送ってやるから。そのつもりでね」
 
 由美の携帯に映し出されていたのは、今のキスシーンの写メ。
 
 やられた! 由美は俺と啓太の企みに全て気付いていたのだ。
 
その上で俺についてきて、こんなゲームを持ち掛けた。
 
 ……全く持ってしたたかな女だった。