｢仕事か。珍しいな、家が大好きな誠様が外出なんて。｣


｢まあ、陰陽師にとっちゃ一大事なことだったからな。家の当主は強制的に全員参加だし。｣


｢当主が全員参加??何があったんだよ？｣
雷希は机の向かい側に座りながら、かなり驚いた顔で言った。


｢ある研究所の実験動物がさらわれたんだ。研究所のやつらは皆殺しされてて、研究書も消えたらしい｣


｢その実験動物が危険なのは分かるんだけど、なんで陰陽師にとって一大事なんだよ。｣


｢親父が言うには、陰陽師の札が効かないし、妖怪なのは人間なのかそれとも全く違う生き物なのか……よく分からないから不気味なんだってさ｣


｢実験動物も不気味だけど、実験動物さらったやつらも不気味だよな。｣
｢それもだけど………｣



｢??だけど……?｣