愛してる?...たぶん。

「もーえーちーん!!」



「………」



「おーい。もえちーん!」



「………」



その無駄に高いテンション。



僕のことを“もえちん”と呼ぶ唯一の奴。



さっきまで一緒にいたんだ。だから振り返らなくても相手は分かる。



「おーい。我がココロの友。も、え、ちーん!!」



「………」



コイツに関わるのは職場だけで十分だ。



……よし。帰ろう。



ひとりコクりと頷いた僕は、肩に掛けていたバックを抱えるように持つと、追いかけて来る足音を無視し、スタスタと足早に歩き続けた。