「そうだ、そうだ」



「………」



ひとりコクコク頷いた僕は、キョトンとする神谷を見ることなくソファーから立ち上がった。



「へ?もえ、ちん?」



「んーー!!…よしっ!行くか」



「は?何処、に?」



「HR」



「ほーむ………あぁぁぁーー!!」



そして何を焦っているのか獣のごとく叫ぶ神谷を横目に人指し指で耳栓をした僕は、アワアワする神谷を無視し、スタスタとドアへと向かった。