愛してる?...たぶん。

「もえちん?」



「………」



「もーえーちん?」



「………」



ヤバい。彼女の姿が頭から離れない。



これは………重症だ。



顔を真っ赤に染めたまま、固まる僕の顔を覗き込む神谷。



「おーい!もえちーん!」



「………」



「おーい!」



目の前で手を振られてるってのに、いつもみたいに叩き落とす余裕なんてない。



「もーえちーん?」



「………」



僕は黙り込んだまま、ドキドキと高鳴る胸の鼓動を抑えるように小さく深呼吸した。