愛してる?...たぶん。

らしくない。



言葉使いも態度もなにもかも!……全然僕らしくない。



でも、そんなの神谷に言われなくたって僕が一番よく分かってる。



神谷の言う通り、いつもの僕なら、言いたいことも言えず、恵梨のことをいつまでもズルズル引きずって、最悪な展開…はないと思うが、後悔と酒浸りの毎日だったと思う。



なのに今の僕の脳内を占めるのは、昨夜の出来事。



気を抜いた瞬間、脳裏に過るのは、酸っぱ苦いギムレットの味とフルーティーな香り。



そしてベッドの上で乱れ、「センセ…」と僕を呼ぶ、なまめかしく艶やかな彼女の……



「っぅぅ~!」



「んなっ!?」



瞬間、ガバッと立ち上がった僕は、ソファーに雑誌を投げつけると、真っ赤な顔を隠すように右手で口元を押さえた。