愛してる?...たぶん。

相手は教頭先生。内容は……まぁ、あれだ。文化祭やら修学旅行やら、長々といろいろなことを話した気がするが、結局のところ、まだ遅くなるようなら戸締まりヨロシクの内線だった。



「はぁー…すいま…あれ?」



でも電話が終わり、部屋を見回してみるも彼女の姿はない。



あるのは、ソファーの上に畳まれた白衣と一枚のメモ用紙。



“バイバイ、センセ”



「っ!」



瞬間、メモ用紙を握り締めた僕は、再び内線をとると、職員室にかけ直した。



『はーい。教頭で…』



「佐倉です!すいません!帰ります!」



『へ!?』



そして鞄片手に部屋を飛び出すと、全速力で階段を駆け降りた。