愛してる?...たぶん。

「ねぇ、センセ?」



「ん?」



「最後にひとつだけ、お願いきいてくれ、る?」



「お願い?」



「ん」



突然、少しだけ頬を赤らめながら遠慮がちに僕を見る彼女。上目遣いでコテッと首を傾げる仕草は彼女にとても似合ってて、なんでもきいてあげたい、と思った。



「あの、ね、」



「ん?」



「キス、して?」



「へ?」



「ここ、で……キス、して?」



ここは学校だ。誰かに見られたら…一瞬、そんな不安が脳裏を過ったが、気付いたら彼女を抱き締めていた。



「センセ?ここ、学校、だよ?」



「知ってる」



「センセ?あたし、制服、だよ?」



「知ってる」



そんなこと分かってる。でも今の彼女を、制服を着てる、“僕の生徒だった彼女にキスしたい”そう思った。