愛してる?...たぶん。

「新しい環境、新しい学校。…これで少しは変わると思ってた。…でもね、あたし、相変わらず男の子にモテモテで。結局、なにも変わらなかった。でも環境が変わって中学の時より少しだけ割りきれるようになったのかな?あたしを好きな人を好きになろう、って思うようになって、一人になって無理矢理距離をとるんじゃなくて常に笑ってようって。そうやって彼氏作って、適当にニコニコしてたら自然と女の子達と上手くいくようになって、もちろん僻みとか八つ当たりとかもあったけどそれでも上手くいってた」



「そっか」



「ん。…でもね、楽だけど楽しくなったの。毎日が同じで、笑ってるけど、全然楽しくなくて…でもそんな時、センセに出会ったの。ううん、出会ったのはもっと前だよね。でもあたし、センセのこと本当に知らなくて…センセがあたしの担任の先生になって、あたし、初めてセンセのこと知ったの」



「そっか」



「そうなの。で、初めての進路相談でセンセと話して、あたし…………センセに恋をしたの」



「そっ…ふえっ!?」



素っ頓狂な声をあげる僕を見つめながらクスクスと笑う彼女。



「もーセンセ、びっくりしすぎー」



「でもっ、」



「うん、わかってる。意外、ってだけでしょ?だってあの進路相談で恋に落ちる意味わかんないもん」



確かに、あんなダメダメな進路相談で恋に落ちるとかありえない。そんな要素、皆無だ。



「でもね、あたし、あの時のセンセの言葉が嬉しくて。幸せになるために一緒に考えましょうか、って言葉も、進路相談なのに、大学とか就職とかそっちのけで本当に真剣に考えてくれるセンセがおかしくて…。それからセンセと過ごしてる内に、これが恋って気付いたの。まっ、教えてくれたのは幼馴染みで唯一の親友なんだけど、ね」