愛してる?...たぶん。

「………ねぇ、センセ」



「ん?」



「あたし、劣性……シワシワのエンドウ豆、なの」




「え?」



室内に入った瞬間、ドアノブを後ろ手に掴んだまま俯く彼女。



「エンドウ豆って…」



「あの、なんだっけ?遺伝的な…」



「メンデル?」



「そう、それ。あたし、それなの…」



その唐突すぎる発言に思わず聞き返してしまった僕は、儚げな笑みを浮かべる彼女を目の当たりに大きく目を見開いた。