愛してる?...たぶん。

「センセ、愛してる」



「僕は…」



白と黒を基調とした意外とシンプルな彼女の部屋。その容姿から可愛いものが好きかと思いきや部屋にはヌイグルミひとつない。



セミダブルのベッドに掛けられたシーツからは、フルーティーな彼女の香水の香りがする。



「センセ…」



「ンッ…」



これはアルコールのせいだと思いたい。



「まだ元奥さんが好きなんでしょ?」



「それ、は…」



精神的にも肉体的にも弱ってて、ついその手にすがってしまっただけだと思いたい。



「分かってるよ。でも…ね、今だけ忘れよ?ね?」



「………ん」



でも、その悪魔のような誘いにのってしまったのは他の誰でもない僕自身。