愛してる?...たぶん。

「とりあえず、…はい。これ飲んで落ち着きなって」



「あっ…」



手渡されたそれは、校内の自販機で売られてる紙パックのリンゴジュース。



部活前に買ったのだろう、ジュースはすっかりぬるくなっている。



「いただき、ます」



「はい。どーぞ」



ぶっちゃけ、当分リンゴとは関わりたくなかったが、和久井の好意を無下には出来ない。



ストローを取り出し、プツッと差し込み口にそれをさした僕は、俯いたまま、ぬるいジュースを一口啜った。



「……おいしい」



瞬間、口内に広がったそれは、まさにリンゴジュース。



昨夜のものとは違う、鼻を抜ける甘酸っぱい香りに、僕は素直にそう思った。