愛してる?...たぶん。

ほんと、僕はなにを言ってるんだろう。



いくら和久井がしっかり者で話しやすいからといって、生徒にこんなことを訊くなんて絶対に間違ってる。



そもそも、いい大人が恋愛相談なんて…マジイタすぎる。



あー!!やっぱり、今日の僕はどうかしてる。



「もえ先生、痛い」



「ごめっ、和久井!ってか、今の忘れて!」



「あー…」



顔を真っ赤に染め、あまりにも必死な僕を見ながら苦笑いを浮かべる和久井。



そんな和久井からいくら顔を背けても、一度感じた羞恥は拭いきれない。



帰ろう。



今すぐ帰ろう。



そして和久井には明日改めて謝ろう。



「ごめっ!僕、帰ります!!」



「は?」



キョトンとする和久井を見ることなくガバッと立ち上がった僕は、傍に投げてあったカバンを手に取ると、スタスタと歩き出した。



「ちょっ、もえ先生!」



「スイマセン、ゴメンナサイ、ではまた明日、ごきげんよう」



「はぁぁー…いるよ!」



「へ?」



でも、突然の和久井の言葉にピタリと止まる足。