愛してる?...たぶん。

「だから彼女じゃ!」



「またまたー」



「本当にっ!」



「はいはい」



あれだけ神谷が騒いでたんだ。



間違いなく会話はただ漏れ。



だから僕が昨夜、彼女と何をしていたのか和久井は察しているわけで、その行為を思えば彼女じゃないと思うほうが不自然だと思う。



でも、本当に昨夜の僕と彼女の間には“付き合う”という会話はなくて。



セックスはしたが、もちろん“彼氏彼女”なんて間柄になったわけでもなくて。



でも、“セフレ”と言えるほど割り切った関係で肌を重ねているわけでもなくて。



『好き、……愛してる。』



僕と彼女の関係は、彼女のその一言で成り立っている。