愛してる?...たぶん。

髪?あぁ、髪は…



「っ!」



瞬間、脳裏に浮かんだ昨夜の彼女の姿に、カッと顔に熱が集まる。



あの言葉の数々を、あの濃厚なキスを、熱い吐息と汗ばんだ柔らかい肌を、思い出すだけで、ドキドキと心臓が早鐘を打つ。



「えと、これは…その、」



「あー、やっぱ彼女に切って貰った、とか?」



「いや、違っ!」



「別にいーじゃん!似合ってんだし!」



「なっ!」



否定を肯定ととったのか、アワアワする僕を見ながらプッと吹き出した和久井は、「もえ先生、テンパりすぎー」と、傍に転がっていたボールを抱き締めながらケラケラと笑い続けた。