愛してる？．．．たぶん。

「あっ…」



瞬間、いつもとは違うその長さに違和感を覚えたが、あぁ…そういえば、と小さく溜め息が漏れる。



昨日、彼女に切って貰った髪。



彼女は何度も可愛いと言っていたが、耳に軽く掛かるだけの長さは、やっぱり僕には似合わない気がする。



何度鏡を見ても、可愛いなんて思えない。



むしろ思えたら、それはそれで大問題だが、これじゃまるで学生みたい。



前の無駄にウザい髪型もどうかと思うが、これはこれで正直どうかと思う。



こちとら、もう27だってのに…。



右手をじーっと見つめた僕は、ギュッとその手を握り締めると、再びクシャリと髪を掴んだ。