愛してる?...たぶん。

あー…マジ頭痛くなってきた。



和久井…いや、男バスの皆には申し訳ないが、やっぱ無視して帰るべきだった、かも…。



「俺も彼女欲しいぃぃー!!」



「………」



「姫みたいな可愛くてナイスバディな女の子とイチャイチャしたいぃぃーー!」



「………」



未だギャーギャー騒ぐ神谷目の前に、呆れて物も言えない。



帰りたい。



今すぐ家に帰りたい。



いや、とりあえず今すぐ体育館から出たい。



和久井…いや、男バスの皆には本当に申し訳ないが、このまま神谷を放って、今すぐここから立ち去りたい。



「和久井。悪いけど後始末は…っ!?」



でも、頭を抱えたままコートに目を向ければ、ボールを拾い上げ物凄い形相で僕を睨み付けてくる副部長の浅野と、ほんのり頬を染め、スッと視線を逸らす1年生の井上と吉本。



「えと、」



ぐるりとコートを見渡せば、知らね、とばかりにプイッと顔を背ける和久井と、これから起こるであろう事態に備え、我先にとコート内から緊急避難する生徒達。