愛してる?...たぶん。

「………えと、」



「まぁ、要するに、俺が朔サンと…ヤローと2人で寂しく呑んでる間、もえちんは姫とちちくりあってた、って訳、ね。髪と一緒に違うとこもスッキリサッパリさせてた、って訳、ね」



「………えと、別にちちくりあってた訳じゃ、」



でも、いくら僕が冷静さを保とうと努力しても、神谷はと言えば、周りの目なんておかまいなしにだんだんとヒートアップしてきて。



「は?姫とヤったんだろ!あの、やーらかそうな乳揉んだんだろ!」



「ちょっ!かみっ!?」



「あーんなコトや、こーんなコトしてもらったんだろ!たっぷりサービスして貰ったんだろっ!」



「いや、そのっ、ちょっ!神谷っ!!」



「あーやだやだ。これだから草食系は。興味ないふりして、ちゃっかりヤることヤっちゃうんだから。……この、むっつりメガネがっ!!」



「なっ!?」



練習とはいえ試合の途中だってのに、控えの生徒達はもちろんのこと、コートの中でボールを追いかけていた生徒達まで立ち止まり、コロコロと転がるボールを放置したまま、僕ら…いや、神谷を凝視してて。



「まっ、別にいいけど、ね。なんてったって、昨日はもえちんのお誕生ですから?」



「いや、…いやいやっ、そうだけ、ど…」



「羨ましくなんて…羨ましくなんて………羨ましいぞぉ!!こんちくしょー!!」



「………」



……マジこいつ、どうにかして欲しい。



ガクッと肩を落とした僕は、床をダンダン叩く神谷を冷やかに見つめながら、はぁぁぁー…と、大きな溜め息をついた。