愛してる?...たぶん。

「あの、…神、谷?」



「なに?」



「いや、……別に」



「ふーん…」



目の前に座る神谷は胡座。対面に座る僕はと言えば正座。



おまけに神谷の右手には、ベタな刑事ドラマよろしくの小さなスタンド式ライト。



ステージ上という、ただでさえ目立つ場所にこの構図。



しかも僕が口ごもる度に、そのライトで顔を照らすものだから…本当にたまったものじゃない。



でも、そう思いつつもキレずにいられるのは、目の前のコートで真面目に紅白戦をしている生徒達がいるから。



クールに…。クールに…。



僕は自分にそう言い聞かせながら、膝の上の拳をギュッと握りしめた。