愛してる?...たぶん。

……そうか。そうきたか。



口元をヒクつかせつつも、神谷の自由すぎる性格にある意味感心してしまう。



まさか生徒を使うとは…。




「………はぁぁぁーー」



ガクッと肩を落とした僕は、これでもかってほどの大きな溜め息をつくと、チラッとスピーカーを見上げた。



行きたくない。



絶対に行きたくない。



………でも、



《もえ先生ぇぇぇー!!どーにか……》



《オイコラ、クソバスケ部ぅぅぅー!!!》



《うぎゃっ!!矢部っ!!》



スピーカーからは、焦りすぎてアワアワする和久井の声と放送部の部長、矢部の怒号。



《たっ、助けて…》



《私用放送、ダメ、絶対!!!…天誅!!!》



瞬間、ブチッとマイクの切れる音が聴こえた。