ちょっと面倒臭そうに、浅井はあたしの元へ早足で戻って来る。 「こうやって、手を繋ぐんだよ」 あたしの右手を取ると、指を絡ませてきた。 これって、“恋人繋ぎ”ってやつ? 友達が、憧れだって騒いでたよね。 「ほら、帰ろう」 「あ、ねえ。手を繋いだら、みんなにバレちゃうよ」 「何、当たり前の事言ってんだよ。その為に繋ぐんだろ?」 「その為って?」