(・・・あれ?)

僕は目を開ける。・・・死んでいなかった。そして痛みも感じない。

神門「どうして・・・?」

僕は自分を巻いている糸に目をやった。

神門「な、、なんじゃこれ?!?!」

糸は切れていない。しかし糸の中、僕の腕の中が紅に染まっていた。
血ではない。
ボォッと輝いているのだ。





ゴオオオオオオ!!!!





その瞬間激しい轟音が腕の間から聞こえた。そして、一瞬にして糸が焼け落ちた。呆気にとられる。


神門「な・・・どういうこと・・・?コレ・・・」



僕の腕に抱えられていたもの、それは黒いフォルムに紅の炎の模様にデザインされている鞘に入った刀だった。

それは淡く紅に光っている。

驚いて、落としそうになった。

絡新婦「糸が・・・焼けた・・・?!?!」



絡新婦も呆気にとられていた。



雪華「作戦は成功だ」

雪華は左手で髪をかき上げた。キラキラと光る氷の粒子が光っている。

僕はその隙に逃げ出した。

絡新婦「どうして・・・貴様、その刀をどこから?!?!」

雪華は落ちている桐の箱を指差した。落ちていた桐の箱を雪華は拾い、それを僕に渡した。

神門「・・・軽くなってる」

その桐の箱は、普通の箱と同じくらいの重量になっていた。

雪華「元々はその神門が持っている太刀・・・“炎刀”がその中に入っていた。その刀は普通は目に見えないのだが、同じ種類の別の刀と共鳴させれば、その姿をあらわす」

神門「すんません・・・よくわからない・・・」

僕は雪華に言った。

雪華「ん、まぁこの件に関しては、後で話す。脳のない人間に教えるのは、時間と労力と労力と労力がいるからな」

神門「どんだけ労力いるんだよ!」