大江戸妖怪物語



絡新婦「血が・・・・欲しいいいいいいいいい!!!!」


絡新婦はそう叫んだ。

掠れた声は、その容姿同様に不気味だった。

雪華「お前は大罪を犯していることに気付かぬのか。あのお方は人間との共存を望んでおられる。お前はその意に反すのか、謀反者」

雪華は絡新婦に向かい言った。

絡新婦「お前みたいな小娘に・・・なにがわかる?!少ししか生きてない分際で・・・生意気なぁぁぁ・・・・!!!!こっちはなぁ・・・もう千年以上生きてるんだよぉぉ!!!お前はまだ十数年程度だろぉ!!・・・そんなクソガキに、言われる筋合いなどないわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

雪華「話がよくわからないわ。千年生きた?だからなんなのよ」

絡新婦「んぁ?」

雪華「正しいことをいう人間に、年齢の上下なんか関係ないわ。脳みそが腐っているんじゃないの」

絡新婦「おぅのおおおおれぇぇぇぇ!」

もう一度絡新婦は糸を出した。

雪華「その攻撃は通用しないと言っているでしょう」




・・・




神門「う、うわぁ!」

雪華「神門!」

糸は僕の体に巻きついた。腕を拘束され、もがくことすらできない。

絡新婦「形勢逆転だあああああ・・・・!」

僕は桐の箱を抱えたまま糸に巻きつかれている。

絡新婦「攻撃するか?なぁ攻撃できるか小娘ぇぇぇ・・・!!!!」

雪華「チッ・・・」

雪華はたじろいだ。

絡新婦「ん?どうした?攻撃してこないのか?それともこいつがどうなってもいいのか??」



まるで絡新婦は雪華を挑発しているようだった。