絡新婦「なんだとぉ・・・?!」
絡新婦は少し、動揺したようだった。
銀髪娘「神門、少し離れていてくれ」
僕は銀髪娘の着物を離した。
銀髪娘は袖口から篠笛を出した。白い篠笛だ。まるで雪のような色の、美しい篠笛だった。
銀髪娘「私が奏でる音楽を聴けば、正体がわかるさ」
そういうと銀髪娘は篠笛を口に当てた。
♪・・・
しっとりとした音楽。僕にはそれがなんという音楽かは知らないが、聞き惚れてしまうような音色だった。
和んでいる僕とは逆に、絡新婦の表情はみるみる青くなっていく。曲が終わると、銀髪娘は笑った。
銀髪娘「正体がわかったかしら」
絡新婦「あぅ・・・あぅ・・・あぁぁぁぁ・・・・ぅぅぅぅ」
絡新婦は言葉の聞き取りが難しいほど動揺していた。一歩一歩後ずさりし、口をパクパクさせ、目をこれでもか、というくらいに見開いている。
絡新婦「ゆ・・・」
絡新婦はやっとのことで声を出した。
絡新婦「雪女ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


