雀陽「い、命だけは・・・!助けてくれ!!ほ、ほら・・・これが飯綱の刀と紅玉だ!!ほら、返したぞ!!」
泰山王「あ、返してくれるんだー。てっきり、意地張って返さないものだと思ってたんだけど」
泰山王は受け取った刀を興味深そうに見つめた。
そこに、雪華と黄梅が沼の中の島に辿りついた。
雪華「ふん・・・十王の一員が随分と派手に・・・」
雪華は再度口の中から血をペッと吐き出した。
泰山王「強がっちゃってー!雪華ちゃん正直限界でしょ??もうさ、見てらんなくてー」
雪華「あまり介入するなと閻魔王様に言われているが・・・?」
泰山王「そういう細かいことは気にしないでいーよ。ケースバイケースってかんじ?」
神門(そんなにユルくていいのか冥界・・・!?)
泰山王さんはクルクルと円刀を回す。
黄梅「木南!!おじいちゃん!!」
黄梅は横たわっていた二人の元に駆け寄り、体をゆする。
木南「う、梅ちゃん・・・私・・・ッ・・・!」
勝常「あたた、頭を強く殴られた気がするわい・・・」
どうやら二人とも無事なようで僕は胸を撫で下ろす。
相変わらず雀陽は土下座しながら命乞いをしている。
泰山王「そーいえばさ、この土下座男以外の砂時計回収してくれば?僕はさっさとこいつを痛めつけたいなー」
雪華「別に・・・その男を殺したいならさっさと殺せ。まとめて回収したほうが楽だ」
雀陽「ヒィッ!!」
雀陽は素っ頓狂な声を上げ、口がガタガタと震えている。
泰山王さんは笑みを浮かべながらも冷たい表情を浮かべて、円刀を上に掲げた。
泰山王「・・・円刃血翔」
円刀から白い霧が立ち込め、グオオオン・・・という音が響く。泰山王さんはその刀を雀陽の首目がけて投げつけた。
雀陽「うわあああああああ!!!!!!」
泰山王「ばーいばい♪」
・・・
ザシュッという鈍い音が聞こえ、雀陽の首が転がった。雀陽の首から噴射した血が泰山王さんの顔にかかる。しかし、泰山王さんは嫌な顔一つせずそれを拭い、笑った。
泰山王「たしかにちょっと派手にやっちゃったかもねー」
血まみれになりながらもニコニコ笑う泰山王さんに若干の不気味さを感じたが、まあこれがいつものことなので、僕は顔を引きつりながらも笑った。


