しかし、大きな木の上にたまたま落下し、なんとか難を逃れた。
それは大きなクスノキで、樹齢は千年を超えているようだった。その巨大なクスノキに助けられた僕らは、なんとか地面に降りた。しかし、龍の攻撃はまだまだ終わらない。
僕は炎刀を取り出し、龍に向き合った。
神門「燃え尽きろ!!」
僕は炎を龍に向けて飛ばした。しかし、攻撃は効かないらしく、動じない。龍は大きく口を開き、口の中に電気を溜めはじめた。
神門「え!?これやばい匂いが・・・」
その瞬間、龍の口から巨大な電磁砲が発射された。それは一直線に僕の目の前に飛んできた。
僕は次にくる痛みに覚悟した。
その時だった。僕の体は左に突き飛ばされていた。
神門「え・・・」
倒れる直前に見えたのは、歯を食いしばった雪華の顔だった。
雪華の体が光に包まれたと思うと、爆音を立てて雪華は弾き飛ばされた。
神門「雪華!!!」
僕が立ち上がると、雪華は三十メートルほど離れたところに横たわっていた。なんとか立ち上がることができた雪華は、フラフラとしていた。雪華の頬には切り傷ができており、体の至るとこに擦り傷が垣間見えた。
神門「そ、そんな・・・雪華が・・・」
僕は今まで雪華が怪我をしたところなんて見たことがなかった。なのに、今目の前にいる雪華は傷だらけで・・・。そんな雪華は初めて見た。いつもなら、無表情で淡々と相手を倒し、砂時計を回収する。それが当たり前だと思っていた。でも、今は違う。今は・・・!
雪華「ッ・・・。口の中を切ったか」
雪華は口の中の血を地面にペッと吐き出した。雪華の口元からは一筋の赤い血が垂れていた。そしてそのまま地面に紅い円が増えていく。
しかし龍の攻撃は止まらない。龍は雪華に突進すると、クスノキの幹まで吹っ飛ばし、さらに幹にもたれかかる雪華の体に至近距離から電磁砲を食らわせた。
雪華「ううう・・・・うあああああああああああ!!!!!!」
断末魔のような声を雪華は上げる。僕は助けようと思った。でも、足が動かない。
神門(雪華を助けなきゃ・・・でも、足が動かない・・・・・なんで・・・・!?)
そのとき、僕はいつも雪華に甘えていたということに気づいた。心の中で、いつも雪華は助けてくれる、雪華は強いから・・・そんな甘えがあった。
僕がなんとかしなくてはいけない。・・・そう、僕が!!!!


