寺に戻り、寺の裏へ回る。そこには見覚えのあるあの三人と能上さんの後ろ姿があった。
雀陽「おやおやぁ~。負け犬がなんのようですかなぁ~?」
舐めるような言葉で雀陽は僕らに声をかけた。
能上「ふん、出て来たか。だが、もう遅い」
神門「おい、木南と黄梅のおじいさんはどうした!?」
能上「もうあいつらには用は無いからな。あの女の持つ紅玉も手に入れた・・・」
雀陽たちは沼の中心部に堂々と立っていた。その横に倒れているのは、木南と黄梅のおじいさん・・・!
黄梅「木南!おじいちゃん!」
黄梅は沼に片足を踏み入れた。雪華は慌てて黄梅を止める。
雪華「落ち着け!・・・異様な雰囲気がする」
雀陽「おや~ん??気づいてしまったかな~?この異様なフ・ン・イ・キに!」
不敵な笑みを浮かべて雀陽は笑った。
その瞬間、耳を割るような地鳴りが辺りに響き、空は黒い雲に覆われた。
神門「!?なんだこの音は!!!」
すると沼の水面が異常な様子で波打ち始めた。
雀陽「まずは君たちから始末してあげますよ・・・君たちは私の計画を悉く邪魔する存在ですからねー・・・!クスス!!」
雀陽は大声で叫んだ。
雀陽「さあ、私に敵対するものをすべて殺せ!!!!!!!!黒龍!!!!!!!!!!!!!」
神門「え?!」
その瞬間、沼の水がバーンとはじけたように飛び散り、さらに巨大な龍が沼から現れた。
黒龍は僕たちを睨みつけると、僕めがけて突撃してきた。
神門「うわあああああ!!!!!」
避けきれず、僕は黒龍の突進を食らった。十メートルほど飛ばされ、体が地面に擦れて出血した。


