大江戸妖怪物語


そう叫んだ途端、僕の右手が炎に包まれた。それはいつもよりもまぶしく輝きを放っている。

神門(体が・・・熱い・・・・?こんなの・・・初めて・・・!)

その瞬間、すべての感覚を失った。僕の意志に反して右手が高く上げられ、叫び声を出した。

神門「・・・ううおおおおおおおおりゃあああああああああああ!!!!!!!」

僕は思い切り拳を岩に叩きつけた。すると先ほどまでピクリともしなかった岩がミシミシと音をたて、二つに割れた。

洞穴の中から大量の水が流れだし、その水流に流され僕と雪華、黄梅はなんとか生き延びることができた。

黄梅「ゼェゼェ・・・つーか!そんなすんげー技使えるなら最初から出せし!」

神門(いや、これは・・・)

あの力は一体なんだったのであろうか。僕にはわからないし、あれは出そうと思って出せる力ではない。僕は自分の右手に恐怖心を抱いた。
そして立ち上がろうとした途端、僕はフラフラと崩れ落ちた。

雪華「神門!」

雪華が慌てて僕を起こした。力が入らない。

神門「あ、ごめん・・・クシュン!」

体は冷水で水浸し。さすがに冷えたのかクシャミが止まらない。

神門「うー・・・、てか、早く能上を追わなきゃ!」

雪華「もしかしたら・・・あの寺の裏の沼にいるのでは・・・?」

黄梅「沼に!?もしかしてあの祠!?そうとなったらさっそく戻る系!」

僕たちはびしょ濡れの体を引きずりながら、寺へと戻っていった。