大江戸妖怪物語


雪華「とにかく、早くここから抜け出すか。・・・時間も無いようだしな」

あっという間に太ももまで水が来た。雪華や黄梅は腰辺りまで水が来ている。
しかも、洞穴の中ということもあり体がドンドン冷えていく。唇が紫色に染まっていくのを感じた。しかし、水の勢いは増すばかり。ついに僕の上半身まで水が襲ってきている。

黄梅「げほッ・・・ごほッ・・・」

逃げる方法を探しているうちに、ついには口付近まで水が来た。黄梅は水を飲んでしまったらしく咽ている。

雪華「このままじゃ、死んでしまうな・・・」

神門「冷静に分析してる場合じゃないって!」

ついに足が浮き上がり、洞穴の天井に頭部が付いた。もうすぐ、タイムリミットだ・・・。
鼻に水が入り、咳き込む。

神門「がぼッ・・・!!」

僕は思い切り水を飲み込んでしまい再度咳き込んだ。
僕は右手を握りしめる。最後の力・・・火事場の馬鹿力を信じ、僕は岩のほうへ泳いで行った。水が目に入り視界がぼやける。僕はピクピクとする手でなんとか岩に辿りついた。

黄梅「神門・・・さ・・・ッ」

雪華「・・・」

神門「僕は・・・僕はッ!!」

そして岩に手が触れた瞬間・・・・・・水が天井に達したのだった。



















神門「生きたいッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」