僕は滝壺に立ち、一度深呼吸をして滝のほうを見た。そして助走をつけて・・・そのまま滝にダイブした。
神門「うぎゃあああああ・・・・・っててて・・・」
なんとか滝を突き抜けると、そこには洞窟があった。僕に続いて雪華と黄梅が滝に突入した。
神門「能上さん?この洞穴、どこまでいけばいいんですかね?って、あれ?能上さん??」
僕は洞穴の入り口を見た。するとその瞬間、洞穴の入り口から光が遮断された。黄梅は慌てて洞穴の入り口に駆け寄った。
黄梅「ななな!?なにこれえ!?マジガチ岩なんすけど!?鬼カタいんですけど!!」
僕と雪華も黄梅のそばに駆け寄る。その入り口を塞いでるものは巨大な岩だった。
神門「能上さん!なにこれ・・・落石ですか?!能上さんッ!?!?」
能上「・・・馬鹿な奴らだな」
神門「え?」
能上さんの声色が違う。
雪華「・・・手先か」
雪華は舌打ちをした。そういうと雪華は岩を睨みつけて少し大きめの声で叫ぶ。
雪華「雀陽の命令か?私たちをここに閉じ込めるとは」
能上「おやおや、察しのいい女だな。個人的にはアンタをぶち殺したいがな」
神門「能上さん・・・・・!?」
黄梅「ちょっとオッサン!アタシたちを騙してた的な!?」
能上「そうに決まってるだろ。当たり前じゃないか」
何食わぬ口調で能上さんは語り出した。
雪華「あの、古文書・・・あれも偽物だろ?おそらく、本物の古文書を盗んだ雀陽が私たちをここに誘導するために、作られたもの・・・」
能上「そうそう!ドンピシャ!いやぁ~刑事さんになったほうがいいんじゃないの?・・・それに雀陽さまはもう完全な存在になられた・・・」
神門「それッ・・・!どういうことだ!?」
フフンと能上がほくそ笑むと、岩の隙間から大量の水が流れ込んできた。
神門「うぐッ!」
能上「本来、あの洗脳術を解く術などない。“洗脳の刃”と木南という娘が持つ“飯綱の紅玉”・・・。この二つを合体させることで最強の洗脳術を使う“飯綱使い”になるのだ」
雪華「飯綱使い・・・??木南がそうだというのか・・・?」
能上「そ。そしてあの紅玉こそ、彼女の“飯綱”だ」
雪華「あれが飯綱だと!?笑わせる。飯綱は動物に似た外見をしていると聞くが」
能上「普段はあの紅玉の中に住んでいるのさ。・・・俺たちはこれでこの国を操り、雀陽さまのものとする。だがね、君達は邪魔ものなんだ。ここで消えてもらおう」
あっという間に僕の膝まで水が来る。このままでは溺れる。
神門「ここを開けろ!能上!!」
能上「水の音が大きくて聞こえないなー。・・・ま、あの木南という小娘と、そこのギャル系バカ小娘のジジイの命が尽きるのもすぐだろう。一緒に死ぬがいい!!じゃあな」
黄梅「誰がバカだこの野郎!!!」
黄梅は岩をごんと蹴っ飛ばした。しかし、それでも岩は動かず。


