そこには花火を待つ人垣。
「あと一分で花火だよ!楽しみだね、パパ!」
子供の笑い声。
「あのね、花火が終わったら話がある」
後ろに婚約指輪を持った男の声。
「おばあちゃん、もうすぐ綺麗な花火が上がるよ」
老いた母を背負う女が声を変える。
その幸せが一人の邪鬼によって不幸へ変えられてしまうのは、絶対に止めなくてはならない。
「火薬庫はここか!」
木で出来た小屋に火気厳禁と書かれたプレート。近くにはたくさんの花火職人が彷徨いている。
「よお、神門くん」
「さ、佐久間さん!」
「何してんだい、こんなところで。ここだと見づらいよ」
「それどころじゃないんです!すみません、火薬庫に入らさせていただきます!!」
「お、おい」
佐久間さんを押しのけ、僕と雪華は火薬庫に入る。
「・・・見つけた」
麻袋で隠された時限爆弾。そのリミットは残り二十秒。
「どどどどうしよう!!」
そうこうしている間にも時計の針は残り時間を刻む。
「・・・よしっ」
雪華は爆弾を抱え、外へ飛び出た。
「凍れ・・・」
雪華は爆弾に息を吹きかけ、爆弾の表面を氷で包んだ。
そしてそれを川へと投げ込んだ。
大きな弧を描きながら見事に爆弾は着水する。
そして・・・・・・
ドーン・・・・・・・!!!
巨大な水の柱が観衆の前に現れる。まるで間欠泉のような水柱だ。それと同時に後ろで花火が打ち上げられた。
そして雪華はその水の柱を氷の刀で凍てつかせた。


