「・・・はい！皆様お疲れ様でした！本当だったらあと二日ぐらい準備に時間を費やすつもりでしたが、雪華ちゃんのおかげですべて作業が終わりました！」
（どんだけ？！どんだけの力量を持ってるの雪華？！）
「まあ前日の準備は本部がやるので、あとは皆様は当日をお楽しみください！それでは・・・」
（これでお開きかな・・・？）
「「「かんぱーーい！！！！！！！」」」
（これから飲み会ぃぃぃ？！？！）
「まぁまぁ、飲みねぇ飲みねぇ！」
グラスが出され、その中にビールを注ぎ込まれる。
「いや、あの、僕は・・・」
「遠慮するこたねぇって！！神門くんとはこうやって一緒に飲みたかったんでぇ！」
「僕・・・お酒飲めなくて・・・。いや、飲めないこともないけど・・・通称『下戸』というものでして・・・」
「何言ってんの！雪華ちゃんグビグビ飲んでるよ？」
「へッ？！」
見るとそこにはお酒を注がれている雪華。その横にはすでに一本空いた瓶。
「雪華、君・・・成人してたのね」
「年齢を言ってなかったが、こう見えて二十歳だ」
「二十歳でその飲みっぷりはヤバイと思うよ！」
雪華はまったく顔が赤くならない。というか酔ってない。
「だから、神門くんも！ほれ、一杯！」
「は、はぁ・・・」
グラスに波波と注がれたビール。グラスの周りの水滴が、なんか怖い。
「・・・よしッ！」
僕は意を決し、ビールを口に入れる。ゴキュッという爽快な喉越し。そこまではよかったのだが・・・
急に体がフワッとして、そのまま倒れ込んだ。僕の目の前はクラクラしていて、眩暈を残していた。まるで甘い麻酔でもかけられたように、僕は意識を失った。
