俺と森川君はパートナーになった。
…ほぼ無理やりだったけど。
 「初めは、”50m走”だな。どっちが先に走る?」
森川君は金髪の髪を揺らし、振り返った。
 「森川君、先でいいよ。俺は後で良いし。」
 「おー…そーか。俺の走り見て怖気づくんじゃねぇぞ?」
…どこまで上から目線なんだ、森川君は。
俺はゴール位置に立って、タイマーをセットした。
タイマーのスタートボタンに指を置く。
 「よーい……ドンッ!!」
走ったと同時にタイマーを押した。
彼は流れるように走って、タイムは7秒ジャスト。
 「速いんだね。森川君。」
俺は走り終わった森川君に声をかけた。
森川君はフッと笑うと、
 「あったりめーだろ。一応中学ン時は陸上部だったしな。」
前髪をかき上げてそう言った。
 「次、お前だろ。計ってやるからスタートに着け。」
 「ん。」
そう言われて、俺はタイマーを預け、スタート位置に向かった。