信号が青に変わり、榊原さんは再びクルマを走らせた。

「落ち着いた?」と榊原さん。

「まあ何とか」

 俺たちは夜のドライブ気分を味わいながら会話を楽しんだ。

 ちょっぴり癒し系のソフトな音楽を聴きながらの会話はムード満天である。

 山田先輩と同じように親しい間柄ながらも、会社以外でこんなにゆっくりと語らい会えるなんて滅多にない。

 今夜は貴重な時間だと言えるかもしれない。

 その榊原さんが話しを変えた。

「小出さんとの交際、上手く行ってますか?」

「え?」

「小出さんとの交際、上手く行ってますか?」

 何て事だろう。

 俺と小出さんとの交際について、話しを持って行ったのだ。

「知ってたんだ?」

「ハイ」

「何で知ってるの?」