いつのまにか口をふさがれていた手は外れていた 「もしかして私大変なことに巻き込まれた感じですか?」 「……まぁそういうことになるけど、君随分と冷静なんだね」 「こんなことで慌ててたらほかのことは何にもできませんからね」 「へぇ~。とりあえず、夜桜潰すまではいてもらうけど」 その男はニィッと笑った 「なんで私なんですか」 「その辺にいたから」 あまりにも即答すぎて、私は何も言えなかった 「あ、ほら。もうすぐ夜桜が来るよ」 遠くからバイクの音が聞こえてくる