『我等はロストアストラル』



ではあなた達が…
皆のアストラル……


『白銀の星の娘が世界に揺るぎない愛を見つけた時』


え……?


『永き契約を断ち切り、人の手に世界を委ねる事を…』


星達が強く輝く。


『それこそ…この世界の神の意志』


人の手に委ねる…世界…
それはアストラルに縛られない世界…?


『そうだ、愛しい子。お前達人の子の力で生きる世界…』


お前達って……
ですが私はもう死んでいます…


『代償を払えば願いは叶うぞ』


また違う星が声を上げる。


ですが私にはもう支払える代償が……


『フィリア・ガーラント…』


―フワッ


白銀のアストラルが人型を象り、私に手を伸ばす。



器の無い魂だけの私を、白銀のアストラルが抱きしめた。


それはいつか見た女神の姿だった。



『我はお前の魂を愛している』


…温かい……
そしてなんて美しいんだろう…


私をずっと見守ってくれた存在…


『美しくも気高い娘に母のような想いを抱いた』


私も…いつからかあなたを心の拠り所にしていました…


『美しき魂を汚す事なく、人の時を生きよ』


…その為に私は…
何を差し出したらいいのですか…?


『我等の絆を…』


あ……
それは私達の契約を…


『我は忘れぬ。お前の魂を愛し、ずっと見守ろう…』


優しく笑うその女性は、泣いているようにも見えた。