「ロストの力が私の力を拒絶している。神瞳のアストラルは使えないけど、私達にはテレサさんがいる」
テレサの世音のアストラルを使うのですね。
「ただ…代償が……」
テレサの代償は記憶。
力を使いすぎたら……
「フィリア、私達はこの世界の未来を救いたい。それは、大切な人達の未来を繋ぐためです」
大切な人達の未来…
ユーシスや、ダンテやカースさん。
エイゼ様や隊長さんやテレサやシエルナ。
私の大切な人達…
「その為なら、代償なんていくらでも払います。たとえ…命と引き換えにしても…」
テレサの瞳には、迷いなどなかった。
「そうだね、テレサさん。私達は皆の未来の為にアストラルを使うんだ」
大切な人達の未来の為…
そうですね……
私達は皆の為に…
「さあ、世界の存続を問う神の審判を再現する為に、まずは君のお兄さんを探そう」
エイゼ様の言葉に私達はそれぞれ頷いた。
「シエルナにもこの話をしないといけませんね」
シエルナ……
反魂のアストラルの持ち主。
蘇らせる力なんて使って大丈夫なんでしょうか…
「フィリア…」
テレサが私の手を両手で包んだ。
「今は、前だけ見ていましょう?大丈夫、きっとうまくいきます」
「テレサ…」
テレサは優しく私に笑いかける。
そうですね…
今は必死に足掻くしかないんです…
私も前を向きます…


