ある日の昼頃、テレサが城へやってきた。


私に話しがあると言うので、一緒に庭へと出る。


「……フィリア…」

「テレサ?どうしたんですか?」


とても不安そうな顔です…
一体どうしたのでしょうか…


テレサは少し震えているようにも見える。


「毎晩…聞こえるんです…」


「聞こえる…?」


テレサは頷く。


一体何が聞こえるのでしょうか…


「時は来たり…」

「え……?」

「永き時を経て、ようやくこの時が来た…」


テレサは震える声で言葉を紡ぐ。


「今生こそ、世界を我が手に…と…」


そう聞こえたのだとテレサは言う。


今にも泣きそうなテレサの手を握ると、とても冷たかった。