墜ちた羽根

いきなり突拍子もない事を言われて唖然としてしまった。
何処かの国の童話だと思われる話をし始めたのだった。

口を挟もうとしたけれど、オウヤ君は止まることなく話した。
笑顔に続き、こんなオウヤ君を見るのは初めてなのかもしれない。

「その国の国王は表は人々を助ける良い人、
裏は城の人間を苛める悪い人でした。
城の人間は国王に脅されていました。
自分の事を漏らしたら話したら命はないと。
それは家族である妃や子供たちも同じでした。
ただ、漏らしたら体罰を与えられました。
それ以外でも、家族は暴力を受けていました。出来の悪い奴だ、と」

此処まで言って、オウヤ君の口が止まった。
何があったのだろうかと顔を覗きこんだ。
彼はとても不機嫌そうに溜息を漏らした。