墜ちた羽根

急に思い出してしまった。
聞かなければいけない事がまだあった事を。

オウヤ君の事は近い将来知る事になるとは言っていたけど、
これは何時知る事になるのだろう?
今聞かなければ一生知る事がなさそうな気がしたから今聞いた。

「ブラッドウイングって?」

打って変わって、表情が少し険しいように見えた。
まずい事でも聞いてしまったのだろうかと心配した。

「オウヤ…君?」

ずっと黙ったままだった。とても気まずい雰囲気。
何か行動を起こそうと思い、立ち上がった時だった。
漸くオウヤ君が言葉を口にした。

「昔々とある国がありました」