またやってる……毒なんて入ってないというのに。
オウヤ君は相変わらず、ご飯を多く食べる。
それでお兄ちゃんやおばあちゃんは喜んでいる。

「お前最初は嫌な奴だと思ってたけど、良い奴だなあ」

そう言って食べている途中のオウヤ君の肩をお兄ちゃんは勢い良く叩いた。
その瞬間、オウヤ君はむせていた。そして“痛い”と呟いた。
おばあちゃんが慌てふためいている。当たり前だ。

「信哉、怪我をしているんだからいたわりなさい」
「お兄ちゃんは人を殺す気…?」
「傷開いたらお前の所為にして良いか?」

非難の声がお兄ちゃんに降りかかった。
お兄ちゃんは爽やかに冗談だと言った。