墜ちた羽根

「あと少しだったのに…」
「卑怯だぞ、ブラッドウィングが」
「勝手に言っていろ、このジジイとババアが」

ジジイ？ババア？
目の前の2人はそんな言葉が似合わない容姿をしている。
モモちゃんがその言葉で怒った。アオ君は宥めている。
オウヤ君はその隙を突いて攻撃を仕掛けた。
その攻撃が当たるか当たらないかの所で、2人が避けた気がした。
だけどそれを確かめる術は無かった。
彼らはもうそこにはいなかったから。

「涼那。これで分かったか」

私の方を振り向いてオウヤ君は不機嫌そうに言う。

「……ごめんね。怪我だって治ってないのに」
「謝るくらいなら、こんな行動起こすな。怪我までしやがって」