墜ちた羽根

その言葉を聞いて私は凍りついた。
これじゃあ逃げる事が不可能になった。
でも彼女達は頭が悪いとも思った。
私がいると分かっていて、こんな作戦を聞こえるように言っている。
変わった子達だ、本当に。埒があかない。
だからもう諦めてまた走り出そうと思い立ち上がった。

「あ、見っけ」

もう覚悟は出来ている。誰の力も要らない。
だから逃げる。オウヤ君に迷惑をかけないように。
これで捕まったり大怪我をしたら、彼は身の安全は保証されないから。
だから私はひたすらに安全地帯へ向かう。
そう、家へ帰るのだ。走り出した。その瞬間。

「やめろ」

立ち止まって振り向いたら絶対にあの子達が私を捕まえるだろう。
見た目に反して足は速そうだから。
だけど聞き慣れた声が気になって、立ち止まって振り向いた。
モモちゃんとアオ君の目の前には私を守ると言った少年…オウヤ君がいた。