この羽根が何処から落ちてきたのかは分からない。
けれど、まるで天使の羽根のように綺麗な羽根だ。
そのまま拾って持ち帰ろうとした…その時だった。
滴が1滴、肩に落ちた。雨かと思った。だけどその滴は赤い色。
何なのかと思い見上げてみた。
何かが落ちてくる。私に目掛けて来るように。
それはまるで人の形をしていて…受け止め切れないと思い、咄嗟に避けた。

ドサリと音が聞こえ、何が落ちてきたのかを確認した。
それは紛れもなく人であった。私と同じ歳か少し年上の男の子。
血だらけだった。落下した衝撃でついた物と、
元々ついていた傷かもしれない。でもどうして何もない所から?
疑問は尽きなかった……けど。今はそんな場合じゃなかった。

「ちょっと、大丈夫ですか?!」

返事が返ってくる事もなく。幸いにも近くに診療所があった。
1人で運ぶ事が出来なかったから、急いで先生を呼びに行き運んでもらった。